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スノボのすすめ?

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きぬえ宣伝社のコラムライフハック
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北海道も厳しい暑さをやっと乗り越えて、最近は急に寒くなってきた。
紅葉もかなり進んできたし、雪虫も飛び出したし、山には初冠雪の知らせが続々と届く。
北海道の冬、多くの人が「また厳しい寒さと雪かきの日々が始まる。」と少しテンションが下がるところだが、同時に「待ってました。早く積もれ。」とワクワクしている人もいる。そろそろスキーやスノーボードのメンテナンスを始めてる人もいるのでは。

私もどちらかというと冬は嫌いだ。
寒いのも、雪も、ウインタースポーツも、できれば避けたいとずっと思ってきた。
小中学校のときはスキー学習がイヤすぎて、「今年こそ異常気象で北海道に雪が降らないってことにならないかな。」なんてことを考えたし、冬休みの間に周りの友達がスキーの点検と練習を兼ねて、親にスキー場に連れて行ってもらったりしていたが、私は必要以上にスキーに乗るなんてまっぴらだと考えていたから、うらやましくも思わなかった。
冬休みが明けて、小学校のときはだいたい体育の授業で学校の裏庭でスキー学習。冬の体育の授業で何回かは近くのスキー場までバスで行く。これが最悪。車酔いが激しかった私はバスで酔う上に、高いところも苦手だったので、山が見えてくるとこわくてお腹が痛くなる。リフトが最初の難関で、乗ることも降りることもこわくて、いちいち止めてもらってから乗って、また止めてもらってから降りる。当然他の子たちも乗っているのに、私と同じレーンに乗った子や一般の利用客にも迷惑をかけ、心苦しい思いと、恥ずかしい気持ちとでずっと泣きそうになっていた。
高いところも、早いのもこわいというかなりのビビりだった私にとって、スキー学習は試練でしかなかった。
そんな気持ちでやっていることが得意になるはずもなく、中学生になっても、その状態は続き、高校生になったころには、スキー場に行くことがわかっているのにスキーを持たずに学校に行った。冬の体育の授業はスキー学習がほとんどだったし、一日かけていくスキー遠足を休むと単位がたりなくなる。だから休むこともできないので、適当に理由をつけてスキーはやらないけどスキー場には同行して、ロッジで自主学習作戦で乗り切った。

そんな状態で社会人になってからは、「これでスキーから解放された。もう死ぬまでスキー場に行くことはないだろう。」と思っていた。でも、現在の私は年に何度かスキー場に行っている。一ミリも予想していなかった未来だ。

スノーボードは夫が好きなウインタースポーツで、結婚したときに夫がたまたま女性用のウエアや板やその他必要なものをすべて持っていて、引っ越しするときに私がやってみるならとっておくけど、やらないなら捨てるという話になり、もったいないなという気持ちと、スキーだったら絶対やらないけど、スノーボードはスキーが下手な人の方がうまくなるなんて根拠のないうわさを思い出したりした。ちょっとやってみて、それでも好きにならなかったら処分することになった。
やってみたらスキーより大変だった。両足を拘束されて、ストックもない。その状態で滑れる気がしなかった。まずは立ち上がることすらできなかった。やっと立ててもちょっと動いたらすぐお尻をついてしまう。バランスをとることもできないし、何より恐怖心しかなかったのだ。「だめだこりゃ。」と、すぐやめてしまうところを夫の力で立ち止まった。

夫はたぶん教えるのがとてもうまいのだ。無理なことは言わないし、なかなかできなくても急かすこともなく、辛抱強く少しずつ進めてくれた。
たぶん通常よりかなり覚えも悪く、恐怖心からなかなか次の段階に進めないし、できない自分にイラ立って夫に八つ当たりみたいなこともするのに、本当に粘り強く教えてくれた。
ちょっとできたら上手に褒めてくれるし、できなくても決して責めたりもしない。何よりできたときに私より喜んでくれた。夫に喜んでもらえることが嬉しかった。もちろん私自身も少しずつでもできるようになると楽しくなってくるし、「次はこれをできるようになりたい。」という欲求もでてきたりする。気づけば仕事の後に毎晩、家の近くのスキー場の隅っこで練習する毎日になった。ターンができるようになり、リフトで上がって降りてこれるようになった。
そうすると、ウエアや板などがお下がりではちょっと物足りなくなった。まずは形から入るタイプの私。まずはかわいいウエアを探した。夫とたくさんのお店を回って女の子っぽいかわいいウエアをゲット。こうすると今度はもっとターンがしやすい板が欲しくなり、まずは板とバインのセットを購入。ゴーグルや手袋なんかは夫が買ってくれた。私がスノーボードに興味をもつことや、少しずつでも上達することをとても喜んでくれる夫。自分のものを我慢してでも私のものを買ってくれたりした。

そうやって始めたスノーボード。何度もスキー場に行ったシーズンもあれば、いろいろな都合で一度も行けなかったシーズンもあった中、始めてから10年以上。
上手ではないし、ぜんぜん夫のように滑れないし、寒いのが苦手なのも、びびりな性格も変わらないので、冬になってもなかなか行きたい気持ちにならないことも多い。
何年か前はそういう気持ちが強くなった時期。それでも夫にがっかりさせたくなくてニセコのスキー場に行った。天気も悪いし、ニセコは国内外から人が集まるので激混み。せっかく朝早く起きて、遠いところまで行って、お金も夫に出してもらったのに、一時間ぐらいで帰ったことがあった。申し訳なくて、「もったいないし、わたしロッジにいるから滑ってきていいよ。」と言っても夫は「いいよ。帰ろう。」と。怒らせたかと思ったし、申し訳なくて何も言えずに無言で帰宅。でも夫は怒っていたわけではなかった。「スノーボードはメンタルが一番大事。やりたくない、おもしろくないと思っているときに無理にやっても、もっとイヤになるだけ。でもメンタルは自分でどうこうできないんだし、気にしなくていいよ。そういうときもあるってこと。これも経験。」と言ってくれた。
そうなのだ。本当にメンタルがすべてに作用するのだ。「なんかこわいな。」とか「うまくやらなきゃ。」とかへんなプレッシャーを自分でかけてしまうと、今までできてたこともできなくて、「なんでできないんだろう。」と焦るとさらに深みにハマる。逆に「うまくできなくてもいいや。転ぶならおもしろいぐらい思いっきり転んじゃえ。」という気持ちになれれば、楽しめる。
楽しむためにやっているのに、うまく滑ることや上達することで頭でっかちになると、楽しめない。夫と一緒に楽しく滑ることがスノーボードをやっている理由だ。

楽しいと思えないコソコソ練習期間、少しずつできるようになってきて、もっと上手くなりたいと上達をとにかく目指した期間、なぜだかやりたい気持ちになれない期間、いろんな気持ちを経験して、とにかく2人で楽しく滑れればいいと思う今。道具は全部けっこう高いし、スキー場も年々利用料が高くなってきている。それでもスノーボードを通じて私は多くのことを学んだし、これからも無理せず楽しく夫と楽しめる趣味として続けたいと思う。
私のように、自分のことを「北海道に住んでいるのにウインタースポーツが嫌い人間」と思っている人も多いんじゃないかと思う。絶対にやった方がいいと押し付けるものではないし、私自身もそう言われたらたぶんやらないだろう。
でも、私はスノーボードの技術だけじゃなくて、スノーボードをやることでいろんなことを学んだ。北海道の長い冬、ちょっとでも楽しく過ごせるきっかけに、寒くてこもりがちになる季節の運動不足解消に、北海道に住んでいるからこそ身近にある雪でウインタースポーツもなかなかいい。

この記事を書いた人
きぬぶん

◆サイトの運営責任者
◆きぬえの宣伝社 代表社員
◆不定期でコラムなどを執筆中

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