失敗したって大丈夫。

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きぬえ宣伝社のコラムライフハック
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私を支える「一番のおまもり」

窓の外を見つめる女性

ひと月ほど前、私は転職した。
それまで保育園の調理をしていて、子どもたちは可愛かったし、それなりにやりがいを感じてはいたが、どうしても譲れない自分の正義との葛藤が積み重なり、モヤモヤしていたところに、たまたま見つけた近所の求人情報。
給料は下がるけれど、今までよりも家にいる時間を確保できる。
夫と二人でやっているWEB関連の作業に労力を使えるようになる。
何よりも、モヤモヤを抱えながら、それをごまかしつつ仕事をするのはけっこう辛かった。
考えないようにしようと思っても、頭のどこかにそのモヤモヤは居座っていたし、そのせいでいろんなことが前向きに考えられなくなっていた。
割り切れれば続けられる。子どもたちは可愛いし、調理は嫌いではない。
休みや勤務時間などの条件も私の希望に合っていた。
辞めるのはもったいないかなという気持ちも働き、悩んだ。
夫にももちろん相談して、「自分がいいと思う方でいいと思うよ。辞めても続けても、自分がそうしたいと思った方が正解だと思う。でも、ずっと抱えたモヤモヤはたぶん消えることはない。今後も同じことでモヤモヤするのは確実。そのたびにまた同じ苦しみを味わうことが分かっているなら、思い切って新しい方を向いてもいいかもね。」と意見をもらった。
いつもと同じく、やはり夫の一言は私に決断する力をくれる。
そうして私は転職を決めた。

メモ帳とデスク

新しい職場は簡単に言えば事務職。
長く勤めていたベテランさんが辞めることになったらしく、その欠員による募集だった。
若いころからアパレルや携帯電話販売などの接客業を中心にやってきて、事務職は派遣でやっていたデータ入力ぐらいだ。
転職してひと月ちょっと。覚えることもたくさんあるし、頼りのベテランさんはいなくなってしまうのでとりあえずひたすら教えてもらったことをノートに書きつつ頭に詰め込む。
覚えたつもりでも、いざ一人でやろうとすると何も覚えていない自分に愕然としながら、もう一人のパートさんに質問しながら仕事をしている。
案の定、ミスが出る。
一つ解決したらまたミスが見つかる。
幸い、「最初だからしょうがない。気にしないで。」と周りの人がフォローしてくれる。
自分の記憶力や注意力が予想以上に衰えていることを実感する。
私は、心配性で神経質な性格だが、どれも簡単なケアレスミスばかり。
でもその簡単なミスでやり直しが発生したり、次の作業ができなくなることを体感した。
肝心なのはここからだ。
反省はもちろんしなければいけないし、当然落ち込む。
でもそれだけではまた同じことを繰り返すことになるだろう。
失敗も、次の成功の材料にしなければ成長しないし、フォローしてくれた周りにも申し訳ない。
簡単なミスならば、同じミスをしないようにどうしたらいいか、対策をとらなければいけない。
今回発生したミスを書き出し、同じ作業をするときに自分の目につきやすいところに貼っておくことにした。作業的にも人員的にも、他の人にチェックしてもらうことは難しいので、自分でチェックの仕方を工夫して、2回~3回チェックできるように作業の手順を考えた。絶対に自分が迷うと思われる項目を早見表にして、ノートから探す手間を省けるようにした。
事務職といってもちょっと特殊で、同じ作業がひと月に一回しか発生しないので、ミスをそのままにしておくと次のときに忘れている可能性が高い。
この自分なりの対策を試せるのは一か月後。
それで同じミスを防げれば、それが自分の一つ目の「成功体験」になる。
その「成功体験」がひとつずつ増えていけば、それが自分の自信になって、成長できると私は考える。こんな風に考えられるようになったのは、本当につい最近。
もしかしたら初めてかもしれない。

暗い部屋の光


氷河期世代に社会に出て、今となってはパワハラ、モラハラに該当するような扱いを受けたこともあるし、仕事に行きたくなくて睡眠障害や摂食障害になったり、辛くても生活のために辞められないという時期もたくさん経験してきた。
特に社会人になって間もない頃は、できない自分を責めて、周りからも責められて、自分のできない部分だけしか見えなくなった。
親の期待に応えられない自分を見られたくないから相談することもできず、一人ぼっちで暗闇に押し込まれているような感覚だった。
友人や同僚に相談しても「わかるよ」「私も同じだよ」という優しい言葉を素直に受け止められない。
せっかく慰めてくれても、「自分の苦しみを本当にわかってくれる人なんていない」と卑屈になる自分がイヤになりまた落ち込む。そうすると、誰にも相談できなくなる。
そんな不安な気持ちのまま仕事をしてもうまくいくはずがない。
無理をしているうちに、今までできてたこともできなくなり、八方ふさがりになって苦しかった。
今、昔とは働く環境は大きく変わって、当時のようなハラスメント的な場面は減ってきてはいるだろう。それでも社会に出て、不安で、失敗して悩んで苦しんでいる若者は少なくないのではないか。
「成功体験」をしたことのないうちは、自信という絶対的な味方が存在しない。
でも「成功体験」を得るには「失敗」という材料が必要なのだ。
とはいえ、看護師や保育士といった「失敗」が命に関わるものもある。
その場合、「失敗」は許されない。さらに不安は大きくなるだろう。
「成功体験」の材料は必ずしも「失敗」だけではないが、その材料を使えない職種は本当に大変で、だからこそ人間的にも体力的にもタフじゃないと持たないだろうと思う。

空を見上げる風景


夫と結婚して、パートで働くようになってからも「せっかく雇ってもらったのに簡単に辞められない」とか「ここを辞めたらまた他を探すの大変だし。」という考え方が染みついてしまっていた。
でも夫と同じ時間を長く過ごすうちに、夫の考え方に影響されて、考え方も少しずつ変わってきた。
パートであろうが何であろうが、仕事はもちろん真面目にしっかりやる。
でも、昔のように仕事に自分が支配されるような働き方はもうしたくない。
仕事を真面目にやることでその仕事に対する満足感を得られたり、喜びを感じられる。
だから、失敗を材料にその先の自分のために成長することを考える。
そうすれば、仕事は生活のルーティンの一つになる。
プライベートと仕事のスイッチの切り替えができるようになれば、どちらも充実させられる。
そして、それでも仕事にとらわれて、いつまでも自信を持てないのなら、その時に自分と相談して苦しくないところに逃げることも重要。
逃げるというと、なんだかマイナスイメージに捉えがちだが、逃げることは悪いことじゃない。
努力して、悩んで、対策して、試してみて、それでもだめなら、それは自分の力だけではもうどうしようもないのだ。そこから逃がしてあげられるのは自分だけ。
自分に対して、自分が一番優しく向き合ってあげないと。

寄り添う夫婦の手元

それでも、私はまた悩む。
同じことで悩んで、苦しんで、迷う。
私の一番のおまもりはやっぱり夫の言葉。
「大丈夫。何があってもあなたには俺がついている。」
この私にとって最大の「自信」につながる言葉があれば、私は安心して自分に向き合える。

この記事を書いた人
きぬぶん

◆サイトの運営責任者
◆きぬえの宣伝社 代表社員
◆不定期でコラムなどを執筆中

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